イソフラボンと更年期障害
大豆イソフラボンは、穏やかではありますが、体内でエストロゲンと同様の作用を持つので、女性ホルモンの関係する症状の改善に効果があります。
更年期障害のさまざまな症状、発汗異常・めまい・動悸・のぼせ・ほてり、心悸亢進、発汗、冷え性、憂うつ感、焦燥感、不眠、耳鳴り、記憶力・判断力の低下、しびれ、下痢、頻尿、肩こり、腰痛、全身倦怠感などの自律神経失調症、不眠症、神経障害をやわらげる効果が認められています。
イソフラボンと骨粗鬆症
閉経後女性ホルモンのエストロゲン分泌が低下すると、急激な骨量の減少をまねくため、更年期以降の女性は骨粗鬆症が発症しやすくなります。大豆イソフラボンは、女性ホルモンの激減を緩和することによってカルシウムが骨から溶け出すのを防ぐので、骨粗鬆症の予防や改善に効果があります。
このことは、卵巣を摘出した雌のラットに大豆イソフラボンを長期投与したところ、骨密度と骨の強度が向上したという動物実験や、臨床実験でも明らかにされています。
イソフラボンと動脈硬化
血液中のコレステロール、特に「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールの増加が動脈硬化を促します。一方、「善玉」と呼ばれるHDLコレステロールは悪玉を減らす作用があるのですが、イソフラボンは悪玉を減らすうえに善玉を増やすという理想的な実験結果を出しています。
イソフラボンとがん
乳がんは、エストロゲンが過剰に分泌されることにより、発症しやすくなります。イソフラボンは女性ホルモンの欠乏を補うと同時に、女性ホルモンの分泌過剰に対してはそれを抑える方向に働きますので、女性ホルモン過剰が引き金となる乳がんの予防にも役立つことが明らかにされています。また、イソフラボンにはがんが作り出す新生血管の阻害活性、抗酸化作用なども報告されていますので、乳がんや前立腺がん以外にも、大腸がん、肺がん、肝臓がん、胃がん、白血病などの多くのがんの予防に対する有効性が期待されています。
体内の細胞には、ちょうど鍵と鍵穴の関係のように、特定のホルモンだけがあてはまる「レセプター」と呼ばれる鍵穴のような結合部位があります。女性ホルモンであるエストロゲンも、エストロゲンがあてはまるレセプターに結合してはじめて、その働きが信号として各器官に送られます。
エストロゲンが過剰に分泌されているときに、大豆イソフラボンが体内に存在すると、大豆イソフラボンはエストロゲンと構造が似ているので、エストロゲンのレセプターに結合してふさいでしまいます。そのため過剰なエストロゲンが作用しなくなるので、結果的に乳がんを予防すると考えられています。
また、大豆イソフラボンは更年期の男性に多いといわれている、前立腺がんの予防効果があることがわかっています。女性だけでなく、男性にも有効な成分であるといえます。 血圧・血清コレステロールの低下
更年期の女性は、血圧や血清コレステロールが高くなることが報告されていますが、大豆イソフラボンの摂取により、血圧や血清コレステロールが低下することが動物実験や臨床試験により認められています。
イソフラボンと美容
イソフラボンは女性らしい体をつくるエストロゲンと同様の働きがあり、美白作用、保湿性の向上といった肌の美容効果も認められています。ほかにも豊胸効果や生理不順の改善など、女性にうれしい作用があります。
イソフラボンの副作用
イソフラボンは実際のホルモンとは違い、弱い働きをする女性様ホルモンです。自然に存在する成分ですので副作用の心配はありません。更年期障害の治療法として女性ホルモンであるエストロゲンを投与する方法がありますが、イソフラボンはエストロゲンに比べると効果は落ちるが副作用がないのが利点だという発表もあります。(日経ヘルスNEWSにも掲載されています。その1 / その2 / その3)